看護師に関する統計データ
当ページ「めでぃまーる看護師資料室(統計データ)」では、
- 看護師の給料(年収、月収、ボーナス)
- 就業者数(推移、年代別比較)
- 就業場所
- その他
などの、看護師の労働・就業状況に関する統計データを紹介していきます。
看護師のみの就業者数
看護師の就業者数は、平成14年以降増加し続けています。この数字は、就業者の数であり、調査時に未就業の方や潜在看護師の数は含まれていません。
平成26年では、1,086,779人となっています。
上記グラフには記載されていませんが、准看護師340,153人、助産師33,956人、保健師48,452人となっています。各資格についての詳細なデータについては後述しています。
では、続いて看護師の就業場所についてです。
平成26年の調査では、看護師の就業場所としては、「病院」が最多となっています、次に診療所、介護保健施設、訪問看護ステーションの順です。例年通りの結果となっています。
ちなみに、病院と診療所の違いについて少し説明を加えます。
診療所とは「◯◯診療所」という名称がついている場合や、「◯◯クリニック」という名称ついている施設を指しています。
病院と診療が大きく異なるのは、ベッド(病床)の数と医師を含めた職員の数にあります。
ベッド数が19床以下(20床未満)であれば診療所(クリニック含む)
病床が20床未満であれば診療所となり、20床以上であれば病院という区分けになります。
診療所のなかには、病床を持たない「無床診療所」が多く、2010年10月現在、99,824施設ある診療所のうち、89,204施設が無床診療所となっています。病院は、8,670施設となっています。
病院と診療所の大きな違いとして、もう一点は医師の数と職員の数です。たとえば、医師の数は、診療所では医師1人という施設が多いのに対し病院の場合、最低3名以上の医師がいることが求められます。さらに、診療所では医師1人が診る患者数に制限はありませんが、病院では以下の決まりがあります。
- 外来患者40名に対して医師1名
- 入院患者16名に対して医師1名
患者数に対して、必要な医師の数が決まっているというわけです。
さらに、病院には看護師・薬剤師等についても最低限配置しなければならない人数の規制がありますが、診療所は管理者たる医師1名のほかは特に人数の基準は設けられていません。
病院と介護施設で働く看護師の割合
近年は、病院よりも介護施設で働く看護師が増えてきつつありますが、割合で比較するとその差は歴然としています。
これは、診療所と病院の違いでも簡単に説明しているのですが、病院では、入院患者数や外来患者数に応じて、必要となる看護スタッフの数が決まっており、この数を下回ってはいけないからです。
次に、年齢別の就業者数を見ていきます。また、准看護師や保健師、助産師のデータも合わせて紹介しています。
年齢別の看護職(看護師・准看護師・保健師・助産師)の就業者数について
看護職員とは、
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
を指しています。
その就業者数は平成25年末の時点で、約157万人となっています。
税・社会保障一体改革における推計において、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年には、看護職員は196万人~206万人必要であるとされています。
就業者数は、年間平均3万人程度増し続けていますが、このペースで今後増加しても平成37年には3万人~ 13万人が不足すると考えられていて、さらには、看護師の離職率(潜在看護師など ※看護師資格を持ちながら看護師として働いていない人)も高い傾向にあるため、より看護師不足となる可能性が懸念されています。
以下のデータは『平成28年 看護関係統計資料集』に掲載されている平成20年・平成26年の看護職の資格別・年齢別の統計データと、平成24年の主な就業場所に関するデータです。
近い年代のデータを引っ張ってきていますが、同じ年に同じ方法で調査されたものではないので、データを読み取る際には留意してください。
看護師
平成26年末時点の就業看護師数は108万6779人で、平成24年末から7万1035人(7.0%)増えています。
看護師の内訳は男性が7万3968人、女性が101万2811人となっています。
男性看護師の増加が目立ってきています。(平成24年から男性16.8%増加、女性6.3%増加)
看護師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 70.9%
- 診療所 15.8%
- 介護施設等 7.1%
- 訪問看護ステーション 2.8%
- 学校等 2.0%
- 保健所 0.1%
- 市町村 0.6%
- その他 0.7%
准看護師
平成26年末時点の就業准看護師は34万153人で1万7624人(4.9%)減っています。
准看護師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 42.5%
- 診療所 35.5%
- 介護施設等 19.6%
- 訪問看護ステーション 0.8%
- 学校等 0.4%
- その他 0.7%
保健師
就業保健師の数は、平成24年時点で、4万7279人(男性730人 女性4万6549人 )であり、平成26年には、4万8452人(男性936人 女性4万7516人)となっていて、男性・女性ともに微増となっています。
保健師の主な就業場所(平成24年)について
- 市町村 46.5%
- 診療所 16.5%
- 保健所 13.1%
- 学校等 9.2%
- 病院 9.0%
- 介護施設等 1.4%
- 訪問看護ステーション 0.4%
- その他 4.1%
助産師
就業助産師の数は、平成24年時点で3万1835人、平成26年時点で3万3956人、平成28年時点で3万5774人となっています。
助産師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 62.4 %
- 診療所 25.1%
- 助産所 5.0%
- 学校等 4.1%
- 市町村 2.0%
- その他 0.4%
看護職員として退職経験のある者の4大退職理由
- 出産・育児のため(22.1%)
- 結婚のため(17.7%)
- 他施設への興味(15.1%)
- 人間関係がよくないから(13.0%)
- その他(19.7%)
現在就業していない看護師等が直近の就業先を離職した理由(多い順)
- 妊娠・出産
- 自分の健康状態(身体的なもの)
- 自分の健康状態(精神的なもの)
- 子育て
- 時間外労働(残業)が多い
- 医療事故への不安
- 親族の健康状態・介護
- 責任の重さ
- 適性・能力への不安
- 職場でのいじめや嫌がらせ
- 同僚との関係が悪い
- 家事との両立困難
- 転居
- 施設の看護理念・方針に不満
- 上司との関係が悪い
- パワーハラスメント
- 看護職以外の職場への興味
- 配偶者の転勤
- 休暇が取れない
- 雇用形態に不満
- 勤務時間が長い
- 結婚
- 教育・研修体制に不満
- 看護の自律性・専門性が認められていない
- 業務改善の提案への対応に不満
- 夜勤・夜間対応の負担が大きい
- 医師との関係が悪い
- 雇用者(施設側)の都合
- 施設の将来性に不安
- 進学・研修・留学
- 看護職としての他の職場への興味
- 給与額に不満
- 看護に興味が持てない・やりがいがない
- 福利厚生に不満
- リフレッシュ
- 今後のキャリアプランに不安
- 手当額に不満
- 通勤困難
- 医療のIT化に適応が困難
- 患者・ケア対象者との関係が悪い
- 昇給に不満
- 昇進・昇格に不満
赤色で示したものが、主に就業条件・雇用条件などに関する不満と思われるもの
青色で示したものが、人間関係や精神的なストレスに関連するものと思われるもの
看護師離職の傾向
ベッド数が多い病院の方が看護師の給料面や待遇面が良い傾向にあり、離職率も低くなっています。
一人当たりの労働量や残業時間などが適切に管理されている傾向にあり、小規模の個人病院や診療所になると、個人への負担が大きい割に給料・待遇面が下がる傾向にあります。
ベッド数1000床の病院と、各地域のベッド数300床以上の病院をピックアップしているので、転職先探しに有効活用して下さい。
潜在看護師の数
厚生労働省により発表された潜在看護師推計結果(平成14年末時点)を紹介します。
免許保持者数(a)1,766,981 人に対して、65歳以下の就業者数(b)1,217,198 人を引いた人数549,783 人が潜在看護師と考えられています。
平成14年時点で潜在看護職員数は、およそ55万人となっているのですが、実は潜在看護師の数は今も増え続けていると言われています。
この潜在看護師の中には、看護の現場に復帰したいのに、自分に合った就職先を見つける事ができずなかなか復帰できていないという人も含まれいる事は容易に想像できます。
ナースーセンター、ナローワーク、看護師転職サイトなどを有効活用して、自分の希望条件に合う働きやすい職場をみつけて、少しでも潜在看護師が減ってくれる事を願います。