【質問】新卒理学療法士です。回復期リハビリ病院への転職を検討しているのですが、「志望動機は?」と聞かれた際に、どう答えるのが正解か分かりません。
新卒理学療法士で、現在は介護福祉施設に勤務しています。
最初は、特に拘りなく、理学療法士養成校にきていた求人票から、なんとなく良さそうだなーという感じで、就職先を選びましたが、今は少し後悔しています。
利用者さんへの「リハビリテーション」という感じはなくて、一緒にレクレーションをしたり、個別でマッサージをしたり、という感じです。
このまま働き続けると、リハビリテーションについて、よく知らない理学療法士になってしまいそうで怖いです。
そこで、病院に転職したいと考えていて、とくに回復期病院、リハビリテーション病院が良いのかなと考えています。
年明けから、来年の新入職が入るタイミングの4月までには転職したいと考えていますが、この時に志望動機は、本当の事を伝えても問題はありませんか?
介護福祉施設への文句を言っている感じにならないか心配ですが、不満がないと新卒理学療法士が1年目で転職を考える事もないはずです。正直、「志望動機は?」と聞かれた際に、どう答えるのが正解か分かりません。
何かアドバイスをもらえると嬉しいです。宜しくお願いします。
(20代 女性 理学療法士 ※未婚)
でも、いくつかポイントをおさえれば大丈夫です。では、一緒に解決していきましょう。
20代 女性 理学療法士からの質問・相談
転職志望動機の伝え方に困っている20代女性理学療法士からのご相談です。
- 転職先に、現職場の現状(不満や問題点)を伝えても良いの?
- 転職志望動機の書き方(履歴書)と、伝え方(面接・面談)のコツは?
それでは、理学療法士の転職志望動機の書き方・伝え方についてアドバイスさせて頂きます。
1.転職志望動機の上位5つは現職場への「不満」
これまでに転職を経験した事がある人に、「転職を志望した理由は何ですか?」と聞いたアンケート調査では、その上位5つが職場への何らかの不満です。
1位 給料への不満 38%
2位 仕事内容への不満 37%
3位 人間関係のトラブル・パワハラ 32%
4位 労働条件への不満 32%
5位 経営層や会社の方針への不満 13%
※ 複数回答可、3つまで
(インターネットによるアイブリッジ調べ 2018/3/26-27)
「他にやりたい仕事を見つけた。(6位)」や、「良い誘いがあった。(7位)」という一見、ポジティブな理由を挙げる人もいましたが、その根底にあるのは、現状への不満が見え隠れしています。つまり、転職する人のほとんどはネガティブな理由です。
採用側も、現在も勤務先がある転職志望者の多くが、現状に何らかの不満を抱えている人という事は理解しています。これと言って、取り上げる必要のないネガティブな事は、わざわざ言わなくても、相手はちゃんと察してくれています。
逆に、不満をダラダラと喋ってしまうよりも、グッとこらえている方が受け手には良い印象を与えます。
転職した人の7割が「仕事内容を理由に転職先を決めた。」と回答
転職志望動機の多くが、ネガティブな理由ですが、そのままネガティブな理由を回答した人はあまりいません。
転職成功者の7割が「仕事内容を理由に転職先を決めた。」と話します。
転職先の仕事内容に魅力を感じている事を伝える返答です。
仕事内容を理由にするという事は、現状への不満が見え隠れしているように見えますが、わざわざ現職場への不満を口に出す事はしていません。
つまり、今の「不満」ではなく、これからの「希望や目標」がポイントです。
転職を成功させるなら会社の不満はグッと我慢
転職成功のセオリーから言うと、ネガティブな理由や、現職場への不満については避けるべきとされています。
つまり、
【現状に不満があるから転職したい。】
ではなく、
【仕事内容に魅力を感じたので転職したいと思えた。】
というように、変換して伝える必要があります。
ついつい不満を口に出してしまいそうにはなりますが、
自分にとって、特別に譲れない理由がない限りは、「不満」や「不満を言っていると思われかねない内容」は、わざわざ言わない方が良いという事です。
履歴書で落とされたり、面接がうまくいかない人の多くに共通するのが、この「不満をついポロって出してしまっている」という事があげられます。
2.履歴書に志望動機の書き方
履歴書と面接時では、志望動機の伝え方にポイントの違いがあります。もし、どうしても、「現職場への不満」と思われる内容についても触れるなら、履歴書ではなく、面談で伝えるようにしましょう。
まずは、履歴書で志望動機を伝える場合のポイントから確認していきましょう。
履歴書では、リスクをおわない事!
履歴書という「文字数」が限られていて、なおかつ、読み手の疑問に説明を加える事ができない提出資料では、難しい事・細かい事を伝える事は無理です。
中途半端な説明をしてしまうと、相手には疑問点が出てしまい良い印象を与える事は難しくなります。
履歴書で転職理由や志望動機を書く際の注意すべきポイントは、
- 「すぐ辞める可能性がある中途半端な人」ではないというアピール
- もし、ネガティブな理由があれば払拭する
- ただの勉強家ではなく、「職場に貢献してくれる人」をアピール
この3点です。
面接・面談での志望動機の伝え方
転職エージェントに伝える場合
転職エージェントに伝える場合でも、現状の不満を好き放題に言うべきではありません。
転職サイトの中には、求職側ではなく、採用側に近い会社もあります。
転職エージェントに悪い印象を与えてしまった場合、採用側にその評価が伝えられる場合があります。つい、油断して、現状の不満を何でも口に出してしまいがちですが、現職場を悪く言う事にメリットはほとんどありません。
また、転職エージェントの多くは、転職のプロであってリハビリ業界のプロではありませんので、単なる愚痴と思われる可能性もあります。
今不満に感じている事を、これからの「希望・要望」に変換して伝えましょう。
転職先に伝える場合
できるだけ、「現職場の不満は言わない」という事は大前提で、どうしても転職先(採用側)に伝える必要があるという場合は、履歴書ではなく、面接で伝えて下さい。
面接であれば、間違った伝わり方をある程度防げる事ができます。
今回の相談内容の場合だと、介護福祉施設で、リハビリに取り組めていない今の不満よりも、「介護現場の現状をみてきた経験の中で、よりリハビリテーションの重要性を感じるようになった。」と伝えるべきです。
「介護現場にいたからこそ、回復期リハビリテーションで働く必要がある事に気づけた。」
と伝えましょう。
もし、その時に面接官から、「介護現場の抱える問題は?」や、「現職場の問題点は?」というように、少し踏み込んだ質問がきた場合には、具体的な事を答えても良いですが、それでも、伝えすぎには気をつけて下さい。
転職アドバイスに強い転職サイト
今回、ご質問頂いた「20代 女性 理学療法士」の方のように、転職志望動機の伝え方に困っている人は、転職活動のアドバイスを丁寧に行ってくれる転職サイトがおすすめです。
転職サポートに力を入れている転職サイトは、セラピスト(求職者)側の立場をとってくれます。