コンピテンシーという言葉をご存知でしょうか?
最近では、看護師長や主任看護師といった『看護管理職に求められる能力』を説明する時に用いられる事が多くなっている言葉です。
優秀な管理職であれば、チームとしてある課題に取り組む事になった時に、単純に見た目だけの「成果」「結果」だけではなく、現状の何が問題かを見つけたり、どういった方法で取り組むべきか、取り組んだ方法のさらなる改善案はあるのか、等といった問題解決に至るまでの「プロセス」を評価する能力が必要になってきます。
この『プロセスを評価する能力』に長けている人を「コンピテンシーの高い人」と表現します。
コンピテンシーをもう少し分かりやすく
もしかすると、少し語弊がある表現になるかもしれませんが、「結果の良し悪しだけで物事を判断しない人」というと分かりやすいかもしれません。
最近では、「看護師長に求められる能力」として、この「コンピテンシー」の高さが問われるようになってきています。
単純に結果だけを見る上司がいたとします。
ある看護師が、毎日プライベートも犠牲にしながら、あるプロジェクトに対して一生懸命取り組んでいたとします。
その頑張り屋さんの看護師は、結局このプロジェクトを成功に納める事ができませんでした。
その結果を見た看護師長が、決して褒められるような手順を踏まず、日頃から努力する様子もなかった看護師が、たまたま上手くいった「結果」だけを引き合いに出して、その看護師を叱責したとします。
こんな上司ってどうですか?
「結果」は大事ですが、結果主義が行きすぎると、その組織やそこで働く人たちの人間関係はいずれ腐敗していきます。
上記の例だけでも、なんとなく嫌な職場を想像してしまうのではないでしょうか。
あなたの職場の看護師長・上司はどうですか?
コンピテンシーの高い看護師長や、リーダー、上司に恵まれている人は非常にラッキーです。
女性は、男性と比較すると、「結果」だけで物事を判断する傾向が高いとされていて、ほとんどが女性職場である看護師の職場は、特に結果主義になりやすい傾向があると考えられています。
看護部長や看護師長といった管理職に、コンピテンシーの高さを求めるようになってきたのは当然の事といえば当然の事だったのです。
コンピテンシーの低い相手への効果的な対策方法
コンピテンシーの低さに限らず、
「今の若者は、、、」とか、
「最近の新人は、、、」みたいな事を言うと人にも言える事ですが、
このような、中身(プロセス)を見ようとしない人への効果的な対策方法は、「権威」で勝負する事です。
もちろん、自分より上の人との関係で悩んでいるはずなので、それに対抗する方法が「権威」っておかしいように聞こえるかもしれません。
しかし、ここで紹介したい対策方法は、「自分が偉くなって見返す!」というような、根性論などではありません。
上手に使いこなせば、コンピテンシーの低い上司・看護師長に振り回されなくなる対話テクニックです。
権威には権威を!
中身を見ない人は基本的には権威主義の人です。
プロセスを説明して、理解を求めても一切通じません。そういう人にはシンプルに権威を振りかざしてあげましょう。
例えば、、、
とある業務中に、先輩看護師がお節介なアドバイスをしてきたら、
「師長から、この方法でやりなさいって指示をもらってます。」
と反論すると、もう余計な事は言ってこなくなるはずです。
こういうタイプの人に、現時点の自分の考えを説明しても無駄な時間を過ごすだけです。
単純に、その人よりも偉い人(本人が偉いと思っている人)、尊敬している人を後ろ盾にした方が物事はスムーズに行きます。
これは、権威をチラつかせて、相手の攻撃を防ぐ心理テクニックです。
これと同じ事を、上司の看護師にも使えば良いのです。
ただし、くらいが高くなればなるほど、その人にとっての『目上の人』は少なくなります。
では、看護師長(組織内のトップクラスのポジションにいる人)に対してはどうすれば良いのでしょうか。
正攻法だけで考えると沢山はいないかもしれませんね。
- 看護部長からの指示である事をチラつかせる。
- ドクターからの指示である事をチラつかせる。
- 院長・副院長からの指示である事をチラつかせる。
これくらいでしょうか。
何も同じ会社内・組織内である必要はない。
例えば、教科書を書いているような先生や、論文を執筆している教授の言葉を引用したり、勤務先である病院よりも有名な病院を引き合いに出して、
「◯◯病院がとっている手法らしいですが、、、」なども、上手に権威をチラつかせるテクニックです。
看護協会の会長の発言を引用するのも上手なテクニックです。
看護業務に限らず、人間関係でも有効利用できる人は沢山います。
偉人や人気芸能人、有名スポーツ選手などです。
40代女性であれば、40代を代表する大女優を引っ張り出してきて、「〇〇さんがテレビで言っていたんだけど、、、」というような感じも効果的な方法です。
日本人は外国・外国人に弱いので、ハリウッドスターの名前を出したり、海外の映画監督の名言を引用するのも良い方法です。
この手法は、あまりやりすぎると、冷静な人からは「自分の意見を持ちなさい。」と叱責されてしまいそうではありますが、プロセスを評価する事ができない、コンピテンシーが低い人には、かなり有効です。
常にこの方法をとるというよりは、コンピテンシーが低い人と接する時や、「プロセスを説明しても仕方ないな」と感じた時にとる秘策です。
日頃から、先輩や、偉人、有名人の発言をチェックしておけば、いざとなった時に「権威」をチラつかせた発言ができるようになるはずです。