医療職
「転職理由(履歴書)」の正しい書き方
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【質問】履歴書の書き方、特に転職理由の書き方で困っています。上手く書くコツはありませんか?
既卒で、一度理学療法士として就活しましたが、職場が合わなかったので1年くらいで退職しました。1年ほどのブランクがあります。
最近再就職を考えており、転職サイトに登録しました。今は、面談に向けて、履歴書を作成しています。
履歴書には転職理由という項目があるのですが、約1年程はどこにも勤めていません。この場合でも、前職場からの転職理由を書くべきでしょうか?
それとも、就職していなかった状態から再就職に踏み切った理由を書くべきでしょうか?
前職は介護保険施設に勤務したのですが、今回希望しているのは回復期リハビリテーション病院です。
履歴書には、前職場からの転職理由を書いた方が前向きかなと思っていて、辞めた期間については、履歴書には特に書かずに面接の時に聞かれた時に答える感じが良いのかなと考えています。
介護から回復期病院への転職を希望している理由でも良いと思いでしょうか?
合わせて、履歴書作成のコツがあれば教えて下さい。
(20代 男性 理学療法士)
でも、いくつかポイントをおさえれば大丈夫! では、一緒に解決していきましょう。
20代 男性 理学療法士からの質問・相談
履歴書の書き方に困っている20代男性理学療法士からご質問をいただきました。
- 履歴書の「転職理由」は何を求められているのか?
- 前職から期間が空いている(ブランクがある)場合の転職理由は何を書く?
- 履歴書に書きにくい事は面接の時に答えれば良い?
理学療法士の転職を成功させる転職理由(履歴書)の正しい書き方をアドバイスさせて頂きます。
1.履歴書の「転職理由」で求められる3つの事
転職理由を上手に書くためには、採用側の立場になって考える必要があります。
読み手は「どういった事が書かれていれば安心するか?」というのをよく考えると、書くべきポイントを抑える事ができます。
「すぐ辞める可能性がある中途半端な人」ではないという証拠
転職(入職)後すぐ退職されてしまうと、採用にかけた費用や時間はムダになってしまいます。
採用するためにもコストがかかるので、「この人は、すぐに辞めてしまいそうだな。」と感じさせると、よほど人員に苦しい職場ではない限り、態度が良いとか、謙虚だとか、能力が高いなんて一切関係なく、採用される事はありません。
採用側は、「転職理由」からあなたの「本気度」や「ストレス耐性」を見極めようとするのです。それは、つまり「すぐに辞める可能性のある人ではないか?」という事を見極めようとしています。
そのためにも、履歴書に記載する転職理由は、「すぐ辞める可能性がある中途半端な人」ではないという印象を採用側に与える必要があります。
ネガティブな理由を払拭させてほしい
「ポジティブ」 < 「ネガティブな印象がない」
これが重要です。
もし、一つの病院に、同時に二人の理学療法士(Aさん、Bさん)からの求人応募があったとします。採用担当者は、この2人のうち、どちらか一方に絞るように指示された場面を考えてみましょう。
採用担当者も、書類選考を業務の一貫として行なっています。もし、その担当者が、直感的に何かを感じて、もしかしたらBさんは優秀な人かなと思ってくれても、周囲の職員と意見が合わない中では、決して強く推す事はできません。
もし、自分がBさんを採用すべき(面接に進むべき)と判断しても、周囲がそれを疑問に感じていた場合や、他スタッフはAさんの方が良さそうだと感じている場合、Bさんを選考して失敗した時の責任はその採用担当者1人に向けられます。
普通に考えれば、誰もその責任は負いたくはありません。
なので、「何かしら魅力のある人を見ぬこう!」というよりは、無難な方、つまり、みんなが好印象をもっている方を選ばざるえません。
履歴書の転職理由は、基本ポジティブな事を書き、ネガティブな事は言い回しをかえたり、それが「もう過去の事」という事を上手く書いて、誰が読んでもネガティブな印象を受けない内容にしましょう。重要な事は、ポジンティブな事を書く事ではなく、ネガティブな印象を払拭させる事が重要です。
勉強家ではなく、職場に貢献してくれる人か?
勉強家である事は一つの採用される要素ではありますが、お金を貰っておきながら「勉強するために入職したい。」なんていう転職理由を書くと、その履歴書を読んだ人はハテナが出てしまいます。
今回の相談者は、介護施設(前職)から、回復期リハビリテーション病院への転職となるので、「未経験領域への転職」に該当します。
この場合、ついつい、
「回復期リハビリテーション病院に興味があるため」
「回復期のリハビリを勉強したい」
というような趣旨の内容をついつい書いてしまいがちですが、
「新しい環境だから勉強したい」ではなく、「新しい環境だけど、これまでの経験を生かして病院・職員に貢献したい」と書く方が、採用担当者側の心を動かします。
仮に新しい事を勉強したいという想いがあっても、それは二の次です。
まずは、「採用してくれた方々に私を採用するとメリットがありますよ!」という事をしっかり伝えましょう。
それは、仮に未経験領域だとしても何の問題もなく、「これまでの別領域での経験も生かしながら、新しい風として現場に貢献します。」というように、自分が病院にとって価値のある人間だという事を伝える内容を書きましょう。勉強家である事は、その次の話です。
2.ブランクがある人の転職理由の書き方、たった2つのコツ
ブランクありの人は、「自分だけ不利な立場」と思っている人がいますが、ブランクありの人って意外に多いんです。「一度現場を離れたけど、また戻ってきた。」という事自体には何も問題はありません。
むしろ、在職中の人よりも、入職時期の調整がしやすい部分があるので採用側にとってはメリットと捉えてくれる場合もあります。
ブランクありの人は、つい墓穴を掘ってしまいがちなので、以下の二つのコツを抑えて書いてみて下さい。
ブランクを払拭する準備ができている事を伝える。
「すぐに辞めるリスクはない人か?」「病院に貢献できそうな人か?」を知るために応募書類を読みます。これを抑えておけば、ブランクの有無はそれほど重要ではありません。
先ほどの二つに何の問題もなければ、ブランクがあってもそれを理由に不採用にされるリスクはほぼありません。
採用側もそれほど気にしていない場合もあって、どちらかと言うと、気になっているのは、「すぐに現場復帰できるのか?」という事の方です。
「すぐに現場復帰は難しそうだな」と予測されると、「すぐに辞めてしまうリスクあり」や、「病院に貢献する働きはできそうもない」とレッテルを貼られてしまいます。
ブランク期間の理由を馬鹿正直に書くよりも、「このくらいのブランクはあるが、すぐに現場復帰できる事前準備を整えているので心配には及びません。」という事を書いた方が採用担当者は安心します。
ブランク理由について馬鹿正直に書くと、その多くはネガティブなものになったり、ただの言い訳に聞こえたり、無理やりポジティブな言葉に置き換えているだけで、採用担当者が求めている事とはかけ離れてしまい、心を動かす事はできません。
ブランクの理由は簡潔にして、「ブランクを払拭するために事前準備を整えている事」に重きを置いて書くのがコツです。
ブランク期間が自身にプラスになった事を伝える。
実際に、ブランク期間がプラスになった事があればそれを書けると良いですが、そういったポジティブな側面がない場合には、何を書けば良いのかと悩んでしまいます。
それでも、コツを抑えると、一見プラスになるような事がない場合でも、上手く解釈を変えればプラスにする事ができます。
「長いブランク期間がある」 → 「焦って転職しなかった」(解釈を変える)
そのおかげで、、、
- 前職場で浮き彫りになった課題に取り組む時間ができた。(プラスになった。)
- 自分と向きあう時間を作る事ができ、中途半端な気持ちで転職する事を避けられた。(プラスになった。)
だから、以前の私よりも逆に成長していると感じています。
こういった流れを意識して自分の状況に置き換えて書いてみると、ブランク期間がある事自体が問題視される事はありません。
3.転職理由に関する「履歴書に書くべき事」「わざわざ書く必要のない事」
書くべきことと、わざわざ書く必要がないことを整理できると、履歴書作成に困らなくなります。
履歴書に書くべき転職理由
履歴書に書くべき転職理由は、基本ポジティブな理由であるべきですが、それはあくまでも「ネガティブな印象を抱かせない事」の裏返しです。よほどの経歴がある人でない限り、書類だけでは、その人となりを読み取るのは難しいという事は採用者側も十分に理解しています。
重要な事は、色々と書きすぎてしまい、わざわざ自分からネガティブな印象を抱かせてしまわない事です。
「なぜ前職を辞めようと思ったのか」「どうしてこの病院に入職したいのか」
これは、非常に重要な事です。
ですが、これについては面接時に詳しく知りたいと考えています。
履歴書だけで詳細を伝える事ができるはずはありませんので、あまり難しく考えずに、上記二点について、「ネガティブな印象を抱かせない事」を気をつけて、あなたなりの言葉で書ければ問題はありません。
履歴書にわざわざ書く必要のない転職理由
わざわざ書く必要のない事というのは、「いわゆる前職場への不満」などの自己中心的な人・わがままな人と思われるような事が代表にあげられますが、理学療法士がもう一点気をつけておくべき事があります。
それは、学生時代の部活の話です。新卒者ではないので、学生時代の部活動で学んだ事を書いているようでは、「社会人になって学んだ事はないの?」と思われても仕方ありません。
甲子園優勝とか、インターハイ3連覇など、凄い功績だったとしても、すでに社会経験をしている立派な一人の大人です。履歴書の転職理由や、自己PR欄には、社会人としての経験の範囲で書くように気をつけましょう。
履歴書作成アドバイスに強い転職サイト
今回、ご質問頂いた「20代 男性 理学療法士」の方のように、履歴書の書きかたに困っている人は、履歴書作成などのアドバイスを行ってくれる転職サイトがおすすめです。
ここで説明した事以外にも、履歴書作成で重要なポイントがあります。
「ちゃんと書けているつもり」になっている場合もあるので、転職を成功させたいなら、直接アドバイスを貰っておくと安心です。
※公式ページにて、詳細確認及びWEB登録ができます。
医療職
看護師に関する統計データ
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看護師に関する統計データ
当ページ「めでぃまーる看護師資料室(統計データ)」では、
- 看護師の給料(年収、月収、ボーナス)
- 就業者数(推移、年代別比較)
- 就業場所
- その他
などの、看護師の労働・就業状況に関する統計データを紹介していきます。
看護師のみの就業者数
看護師の就業者数は、平成14年以降増加し続けています。この数字は、就業者の数であり、調査時に未就業の方や潜在看護師の数は含まれていません。
平成26年では、1,086,779人となっています。
上記グラフには記載されていませんが、准看護師340,153人、助産師33,956人、保健師48,452人となっています。各資格についての詳細なデータについては後述しています。
では、続いて看護師の就業場所についてです。
平成26年の調査では、看護師の就業場所としては、「病院」が最多となっています、次に診療所、介護保健施設、訪問看護ステーションの順です。例年通りの結果となっています。
ちなみに、病院と診療所の違いについて少し説明を加えます。
診療所とは「◯◯診療所」という名称がついている場合や、「◯◯クリニック」という名称ついている施設を指しています。
病院と診療が大きく異なるのは、ベッド(病床)の数と医師を含めた職員の数にあります。
ベッド数が19床以下(20床未満)であれば診療所(クリニック含む)
病床が20床未満であれば診療所となり、20床以上であれば病院という区分けになります。
診療所のなかには、病床を持たない「無床診療所」が多く、2010年10月現在、99,824施設ある診療所のうち、89,204施設が無床診療所となっています。病院は、8,670施設となっています。
病院と診療所の大きな違いとして、もう一点は医師の数と職員の数です。たとえば、医師の数は、診療所では医師1人という施設が多いのに対し病院の場合、最低3名以上の医師がいることが求められます。さらに、診療所では医師1人が診る患者数に制限はありませんが、病院では以下の決まりがあります。
- 外来患者40名に対して医師1名
- 入院患者16名に対して医師1名
患者数に対して、必要な医師の数が決まっているというわけです。
さらに、病院には看護師・薬剤師等についても最低限配置しなければならない人数の規制がありますが、診療所は管理者たる医師1名のほかは特に人数の基準は設けられていません。
病院と介護施設で働く看護師の割合
近年は、病院よりも介護施設で働く看護師が増えてきつつありますが、割合で比較するとその差は歴然としています。
これは、診療所と病院の違いでも簡単に説明しているのですが、病院では、入院患者数や外来患者数に応じて、必要となる看護スタッフの数が決まっており、この数を下回ってはいけないからです。
次に、年齢別の就業者数を見ていきます。また、准看護師や保健師、助産師のデータも合わせて紹介しています。
年齢別の看護職(看護師・准看護師・保健師・助産師)の就業者数について
看護職員とは、
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
を指しています。
その就業者数は平成25年末の時点で、約157万人となっています。
税・社会保障一体改革における推計において、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年には、看護職員は196万人~206万人必要であるとされています。
就業者数は、年間平均3万人程度増し続けていますが、このペースで今後増加しても平成37年には3万人~ 13万人が不足すると考えられていて、さらには、看護師の離職率(潜在看護師など ※看護師資格を持ちながら看護師として働いていない人)も高い傾向にあるため、より看護師不足となる可能性が懸念されています。
以下のデータは『平成28年 看護関係統計資料集』に掲載されている平成20年・平成26年の看護職の資格別・年齢別の統計データと、平成24年の主な就業場所に関するデータです。
近い年代のデータを引っ張ってきていますが、同じ年に同じ方法で調査されたものではないので、データを読み取る際には留意してください。
看護師
平成26年末時点の就業看護師数は108万6779人で、平成24年末から7万1035人(7.0%)増えています。
看護師の内訳は男性が7万3968人、女性が101万2811人となっています。
男性看護師の増加が目立ってきています。(平成24年から男性16.8%増加、女性6.3%増加)
看護師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 70.9%
- 診療所 15.8%
- 介護施設等 7.1%
- 訪問看護ステーション 2.8%
- 学校等 2.0%
- 保健所 0.1%
- 市町村 0.6%
- その他 0.7%
准看護師
平成26年末時点の就業准看護師は34万153人で1万7624人(4.9%)減っています。
准看護師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 42.5%
- 診療所 35.5%
- 介護施設等 19.6%
- 訪問看護ステーション 0.8%
- 学校等 0.4%
- その他 0.7%
保健師
就業保健師の数は、平成24年時点で、4万7279人(男性730人 女性4万6549人 )であり、平成26年には、4万8452人(男性936人 女性4万7516人)となっていて、男性・女性ともに微増となっています。
保健師の主な就業場所(平成24年)について
- 市町村 46.5%
- 診療所 16.5%
- 保健所 13.1%
- 学校等 9.2%
- 病院 9.0%
- 介護施設等 1.4%
- 訪問看護ステーション 0.4%
- その他 4.1%
助産師
就業助産師の数は、平成24年時点で3万1835人、平成26年時点で3万3956人、平成28年時点で3万5774人となっています。
助産師の主な就業場所(平成24年)について
- 病院 62.4 %
- 診療所 25.1%
- 助産所 5.0%
- 学校等 4.1%
- 市町村 2.0%
- その他 0.4%
看護職員として退職経験のある者の4大退職理由
- 出産・育児のため(22.1%)
- 結婚のため(17.7%)
- 他施設への興味(15.1%)
- 人間関係がよくないから(13.0%)
- その他(19.7%)
現在就業していない看護師等が直近の就業先を離職した理由(多い順)
- 妊娠・出産
- 自分の健康状態(身体的なもの)
- 自分の健康状態(精神的なもの)
- 子育て
- 時間外労働(残業)が多い
- 医療事故への不安
- 親族の健康状態・介護
- 責任の重さ
- 適性・能力への不安
- 職場でのいじめや嫌がらせ
- 同僚との関係が悪い
- 家事との両立困難
- 転居
- 施設の看護理念・方針に不満
- 上司との関係が悪い
- パワーハラスメント
- 看護職以外の職場への興味
- 配偶者の転勤
- 休暇が取れない
- 雇用形態に不満
- 勤務時間が長い
- 結婚
- 教育・研修体制に不満
- 看護の自律性・専門性が認められていない
- 業務改善の提案への対応に不満
- 夜勤・夜間対応の負担が大きい
- 医師との関係が悪い
- 雇用者(施設側)の都合
- 施設の将来性に不安
- 進学・研修・留学
- 看護職としての他の職場への興味
- 給与額に不満
- 看護に興味が持てない・やりがいがない
- 福利厚生に不満
- リフレッシュ
- 今後のキャリアプランに不安
- 手当額に不満
- 通勤困難
- 医療のIT化に適応が困難
- 患者・ケア対象者との関係が悪い
- 昇給に不満
- 昇進・昇格に不満
赤色で示したものが、主に就業条件・雇用条件などに関する不満と思われるもの
青色で示したものが、人間関係や精神的なストレスに関連するものと思われるもの
看護師離職の傾向
ベッド数が多い病院の方が看護師の給料面や待遇面が良い傾向にあり、離職率も低くなっています。
一人当たりの労働量や残業時間などが適切に管理されている傾向にあり、小規模の個人病院や診療所になると、個人への負担が大きい割に給料・待遇面が下がる傾向にあります。
ベッド数1000床の病院と、各地域のベッド数300床以上の病院をピックアップしているので、転職先探しに有効活用して下さい。
潜在看護師の数
厚生労働省により発表された潜在看護師推計結果(平成14年末時点)を紹介します。
免許保持者数(a)1,766,981 人に対して、65歳以下の就業者数(b)1,217,198 人を引いた人数549,783 人が潜在看護師と考えられています。
平成14年時点で潜在看護職員数は、およそ55万人となっているのですが、実は潜在看護師の数は今も増え続けていると言われています。
この潜在看護師の中には、看護の現場に復帰したいのに、自分に合った就職先を見つける事ができずなかなか復帰できていないという人も含まれいる事は容易に想像できます。
ナースーセンター、ナローワーク、看護師転職サイトなどを有効活用して、自分の希望条件に合う働きやすい職場をみつけて、少しでも潜在看護師が減ってくれる事を願います。
※公式ページにて、詳細確認及びWEB登録ができます。